2005年4月1日にクリニックを開院してから、今日でちょうど20年が経ちました。開院当初は右も左もわからず、手探りで診療を続けてきました。患者さんはもちろん、スタッフとも試行錯誤しながら信頼関係を築いてきた日々が思い出されます。
当時はまだ玄関に水槽もなく、今思えばずいぶんとシンプルな入り口でした。待合室も静かで、時間があるときには、いただいた観葉植物に水をやりながら過ごすこともありました。それが今では、毎日の診療に追われるほど忙しくなり、クリニックの風景もすっかり変わりました。水槽では魚が泳ぎ、観葉植物も立派に成長しました。受付にはいつも患者さんの姿があり、診察室では日々いろいろな相談を受けています。
開院当時は厄年を迎えることを気にしていましたが、気づけばもうすぐ還暦。20年なんてあっという間でした。その間に私自身も、そして世の中も大きく変わりました。医療技術はどんどん進歩し、診療のスタイルも変わってきています。一方で、社会全体の不安やストレスは増えるばかり。情報があふれ、人々はいつも何かに追われ、心の余裕がなくなってきているように感じます。そんな中で、医師として何ができるのかを考え続けた20年でした。
これから先、私も年を重ね、体力的にきつくなることも増えてくるでしょう。それでも、できるだけ健康を維持しながら、診療を続けていきたいと思っています。クリニックを信頼して来てくださる患者さんのためにも、少しでも世の中の役に立てればうれしいです。長く続けるためには無理をしすぎず、でも責任をもって診療に向き合うことが大切だと感じています。
20年を振り返ると、本当にたくさんの出会いと経験がありました。患者さんとのやりとりの中で学ばせてもらうことも多く、医師としてだけでなく、人としても成長させてもらいました。あわせてスタッフも少しずつ成長し、それぞれがクリニックを支えてくれたことに感謝しています。
この先、10年、20年がどうなるかはわかりません。でも、一人でも多くの人が安心して診察を受けられる場所であり続けたいと思っています。これからも自分にできる限りの診療を続けていきたいです。
